様々なWebマーケティング施策のなかで、近年重要視されているのがコンテンツマーケティングです。企業で集客を担当している方の中には、今後取り組む施策として導入を検討している方もいるでしょう。今回はそんな方の参考にWebマーケティングの概要と導入のメリット・デメリットを解説します。
そもそもコンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報や魅力ある情報をWebサイトのコンテンツ・記事として伝えることで、のちにサービスの利用や商品の購入などをしてくれそうな見込み顧客の獲得を目指す施策のことです。この施策で特徴的なのは、広告のように最初からサービスや商品を売り込むのではなく、まずはコンテンツを通じてユーザーとのエンゲージメント(つながり)を作り、そこから段階的にコンバージョンの達成までつなげるという点です。
そのために、この施策における記事は一般的なものよりも質が重視される傾向にあります。キーワードの選定も重要になりますが、直接の売り込みではないので、コンバージョンに近いキーワードだけでなく、遠いキーワードでも狙うことが可能です。コンバージョンに近いキーワードで検索するユーザーは「いますぐ客」「お困り客」、コンバージョンから遠いユーザーは「そのうち客」「まだまだ客」としてターゲットを分類して考えることで、それぞれに見合った戦略を考えます。「まだまだ客」の場合でも、コンテンツへの興味⇒自社とのつながり⇒コンバージョンといったプロセスを想定し、それを実現できるように戦略を立てることが重要です。
コンテンツマーケティングを取り組むべき5つのメリット
コンテンツマーケティングの導入には様々なメリットがあります。以下に5つの例をご紹介します。
イニシャルコストが他Web施策に比ベて低予算
Webマーケティングの施策は、ものによってはイニシャルコストが高くなるものがあります。例えばリスティング広告は、扱う商材や狙うキーワードによってはクリック単価が高く、それにより広告費も高額になるので、初月からある程度大きな予算の投下が必要なケースもあります。
一方、コンテンツマーケティングは、ただブログを投稿することからでも始められるので、低予算で導入できるのがメリットです。すでに投稿できるシステムがあり、社内の担当者が定期的にサイトの記事を更新するようにすれば、追加費用をかけずに施策を実施できます。ただし、コンテンツマーケティング用に大規模なWebサイトを構築する場合などは、ある程度のイニシャルコストが必要となることもあります。
長期的なアセットの蓄積となる
コンテンツマーケティングは基本的に自社メディアを使っておこなうので、制作したコンテンツは自社のアセットとして蓄積されます。そのアセットを活用することで長期的に集客手段を維持できるというのが、大きな強みです。
広告などは、サービスの契約が終了すると消えてしまいます。そのため、社内状況の変化などで費用を継続的にかけられなくなり利用をやめてしまうと、集客手段がなくなってしまいます。その点、コンテンツマーケティングであれば、Webサイト自体を維持する費用さえ用意できれば、新たなコンテンツを制作する費用がなくなったとしても、集客は継続できます。
また、担当者がやめてしまった場合、広告など専門的な知識やテクニックに依存する施策には大きな影響があります。コンテンツマーケティングの場合は、制作のノウハウやポイントが共有されていれば、蓄積された記事を参考にしながら、新しい担当者が引き継ぎやすいというメリットもあります。
顧客・潜在顧客とエンゲージメントを築く
すでに触れたように、コンテンツマーケティングは有益なコンテンツを通して、顧客とのエンゲージメントを築く施策です。一方的なサービスや商品の売り込みのように、受け手に嫌がられるリスクを抑えられ、いわば「健康的」なつながりを作ることができます。心から自社を信頼してもらい、ファンになってもらえれば、たとえニーズがなくなり一度離れたとしても、また新たなニーズが生まれたときに戻ってきてもらえることも期待できます。
SNS(ソーシャルメディア)との連携で相乗効果を生む
コンテンツマーケティングはWebサイトでおこなわれることが多いため、基本的には検索エンジンからの流入を想定しています。しかし、近年はSNS(ソーシャルメディア)の盛り上がりが顕著であり、よいものをシェアしようという動きもさかんです。そのため、ユーザーにとって有益で魅力的なコンテンツをつくれば、SNSでシェアされ、拡散される可能性もあります。
とはいえ、まずはコンテンツが誰かの目に留まらないことには拡散されるまで至りません。ただ待っているだけでなく、自社でも能動的にSNSとの連携をしましょう。シンプルな方法としては、新しいコンテンツを作ったら、自社のSNSアカウントでそれを紹介する投稿をおこなうことが挙げられます。
幅広いユーザー層にアプローチが可能
コンテンツマーケティングは、自社のサービスや商品に関するニーズが明らかであるユーザーだけでなく、潜在的なニーズを持ったユーザーにもアプローチができるので、幅広いユーザー層にアプローチできます。
従来の売り込み型のマーケティング施策では、どうしてもニーズが明らかなユーザーへのアプローチがメインになるので、主にWebサイトのTOPページへの集客などが中心となり、潜在的なニーズを持ったユーザーを確保するのは難しい面があります。コンテンツマーケティングを導入してWebサイト内にコンテンツページを制作することで、これまで逃してしまっていた潜在的なニーズを持ったユーザーを確保し、そのニーズを顕在化させていくことが可能です。
コンテンツマーケティングを取り入れる前にデメリットも知っておこう!
メリットの充実したコンテンツマーケティングですが、導入を検討するならデメリットも知っておき、比較して考えるのが得策です。参考として、以下にデメリットの例を3つご紹介します。
コンテンツを継続的に制作しなければならない
コンテンツマーケティングは、1つの記事を作って終わり、というわけにはいきません。潜在的なものも含め、幅広いニーズに合うようにするためには、様々な種類のコンテンツを継続的に制作していくのがマーケティングを成功に導くカギになります。また、SEO対策の観点からも、ある程度まとまった数のコンテンツを作成することが必要です。
【即効性はなし】短期間に利益を生むものではない!
コンテンツマーケティングは基本的に「長期戦」を想定した施策です。そのため、すぐにコンバージョンが得られて、利益を生めるとは考えない方が無難です。導入にあたっては、投資期間が長くなる可能性があること、また、中途半端な戦略を立てると失敗する可能性があることを頭に入れておいたほうがよいでしょう。
低品質なコンテンツを量産すると逆に悪影響を及ぼすことも
コンテンツ数を稼ぐために低品質なコンテンツを量産すると、悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、検索エンジンからのペナルティが挙げられます。自動生成コンテンツ、コピーコンテンツ、内容のないコンテンツなどを作成している場合は、品質の高いコンテンツに差し替えるなど、直ちに対策をとりましょう。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングの概要と、メリット・デメリットについて解説しました。導入のハードルが低いので始めやすいですが、注意も必要な施策です。導入する場合は、事前に社内や外部協力者の体制を整え、万全の状態でおこなうことをおすすめします。