【代理店が教える】成果の出るディスプレイ広告運用の方法・ポイント

ディスプレイ広告を運用していても思ったような効果が出ない場合、運用方法を誤っているかもしれません。ディスプレイ広告の効果を最大化するためには、事前に広告運用の目的を具体化しておくことが不可欠です。そこでこの記事では、ディスプレイ広告のメリット、デメリットを確認しながら運用する際のポイントを解説します。

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは

「ディスプレイ広告」は、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告のことです。バナー形式での表示が主なため「バナー広告」と呼ばれることもあります。また、広告枠があるWebサイトやアプリのコンテンツに応じて掲載されることから「コンテンツ連動型広告」と呼ばれたりもしています。広告料金はユーザーが広告をクリックする度に費用が発生するクリック課金制のため、単価を抑えやすいのが特徴です。なお、広告の表示回数は事前に設定する「クリック金額の上限」と、ユーザーにとって適切な広告かどうかを評価する指標「品質スコア」をもとに設定される広告ランクによって決まります。

リスティング広告との違い

Web広告で代表的なものにはディスプレイ広告のほかに「リスティング広告」がありますが、この2つは表示形式、表示場所、ターゲット層、ターゲティング方法が異なります。

リスティング広告がコンバージョンの獲得を目的としているのに対し、ディスプレイ広告は認知、想起されることを目的としていると理解しておけば問題ありません。

・表示形式の違い

リスティング広告はテキストでしか情報を伝えることができないのに対し、ディスプレイ広告では画像や動画、テキストを中心に、さらにはそれぞれを組み合わせることもできるため、ユーザーに視覚的に訴えることが可能です。

・表示場所の違い

リスティング広告は検索画面の上部や下部、側面など人目に付きやすい場所に表示されますが、ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に表示されます。

・ターゲット層の違い

リーチできるターゲット層にも違いがあります。リスティング広告はキーワード連動型の広告なので、ニーズが顕在化した層に的を絞って表示させることができます。対するディスプレイ広告は、まだ課題に気づいていない潜在層へのアプローチに効果的です。

・ターゲティング方法の違い

リスティング広告ではキーワードによって広告を表示するターゲットを設定しますが、ディスプレイ広告では年齢や性別、地域といったユーザーの属性を設定することができます。また、「リターゲティング」や「リマーケティング」といって一度Webサイトを訪れたユーザーを後追いして再度広告を表示させることも可能です。

代表的なディスプレイ広告

現在利用されている代表的なディスプレイ広告には以下の「Google」と「Yahoo!」の2種類があります。それぞれの掲載先やターゲティング方法を詳しく解説します。

Google広告のディスプレイネットワーク

Googleの関連サイトに広告を配信できるディスプレイ広告で、一般的にGDNと呼ばれています。主な掲載先はYouTubeやGmail、価格.com、アメーバブログなどで、大手のサイトから個人ブログの広告枠まで幅広く展開していることが特徴です。GDNのターゲティング方法は主にコンテンツを絞り込んで広告を表示する機能と、ユーザーの属性(オーディエンス)を絞り込む機能の2種類があります。

・コンテンツターゲティング

前述のとおりWebサイトやアプリのコンテンツに対応した広告を表示させる手法のことです。
キーワード設定のほか、特定のトピックに関するページをまとめて掲載対象に設定できる機能、広告の掲示場所(プレースメント)を指定する機能があります。プレースメントの指定は手動で行うものと自動で行うものがあり、手動プレースメントでは、広告を配信するWebサイトをURL単位で指定することが可能です。一方の自動プレースメントは、特定のURLではなくGoogleが用意したリストからトピックを選ぶか、広告に関連するキーワードを指定しておくと、自動的にそれらと関連性のある場所に広告が掲載される仕組みです。

・オーディエンスターゲティング

ユーザーの属性を絞り込んで広告を表示する方法はオーディエンスターゲティングと呼ばれています。GDNでは、過去に自社の広告を閲覧したことのあるユーザーや購入履歴があるユーザーを追跡する「リマーケティング」をはじめ、既存顧客と類似の行動を取るユーザーをターゲットとする「類似ユーザー」、行動履歴からユーザーの趣味や関心を分析し、より関心に近いと思われる広告を表示する「アフィニティ」といった機能を備えています。

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)

以前は「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」(YDN)という名前で提供されていましたが、2020年度から順次、一部機能の変更、廃止、追加といったリニューアルが行われ、現在は「Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)」(YDA)に移行されています。

YDAは、Yahoo!JAPANが展開するサイト全般が掲載対象で、Yahoo!ニュースやヤフオク!のほか、BuzzFeedやクックパッド、朝日新聞や毎日新聞など各新聞社のオンライン版といったYahoo!の提携サイトも掲載先に含まれています。

YDAのターゲティング方法は主に「オーディエンスカテゴリーターゲティング」とGDNのリマーケティングに該当する「サイトリターゲティング」の2種類があります。

オーディエンスカテゴリーには、「興味、関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」の3つのカテゴリーがあります。さらに各カテゴリーで「ショッピング」や「旅行」といった、より具体的なカテゴリーに細分化することが可能です。

なお、Yahoo!広告にはもう1つ「予約型」というディスプレイ広告もありますが、これは予約型広告を締結している一部の顧客のみに提供している広告です。当記事で想定しているタイプの広告と異なるためご注意ください。

成果の出るディスプレイ広告運用の方法・ポイント

続いては、ディスプレイ広告で成果を出すための運用のポイントを紹介します。

計画の具体化

ディスプレイ広告で達成したい目的や表示したいユーザーのペルソナなども含めて運用計画を事前に具体化しておきましょう。商品やサービスの認知拡大を目指すのか、短期的なコンバージョン率の向上を目指すのかによって、最適なターゲティング方法や広告のフォーマットも違ってきます。また、キーワードやユーザー属性の設定の仕方はそのまま結果に反映されてくるため、狙ったターゲットに情報を届きやすくするためにも、ターゲットを明確化しておくことが大切です。

ターゲティングの適切な活用

ディスプレイ広告では広告を表示させたいユーザーの属性を細かく設定できます。「ペルソナの年齢や性別が細かく決まっている」「興味関心に基づいて幅広く集客したい」など、自社の目的に合わせて適切にターゲティングを活用しましょう。反対に自社のターゲットでない層は除外することで効率を上げることができます。また、すでにつながりのあるユーザーの再訪や商品・サービスのリピートを狙いたいなら、リターゲティング(リマーケティング)が有効です。

ディスプレイ広告は、顧客となりうる、関心の高いと思われる人をターゲットとして作っていきます。どこに広告を出すのが最適なのかをあらかじめ推測するのがほぼ不可能なため、配信先を指定しての広告配信は行いません。少なくとも2~3以上のターゲットを検証します。

ディスプレイ広告がアプリで配信されてしまうと、誤タップが多く発生してしまいます。広告配信する商材とマッチしたアプリに広告が表示されるとは限らないので、デジタルチェンジでは、ブランドセーフティの観点からも、プレースメント除外でアプリは全除外としています。YouTubeへの広告配信も、どんな動画に配信されるか分からないため注意を払っています。

広告クリエイティブの最適化

ディスプレイ広告は、検索したキーワードと連動して広告が表示されるリスティング広告とは異なり、ユーザー側が意図していない場合でも広告が表示されるという特徴があります。そのため、画像、動画、テキストなどのクリエイティブ力がユーザーへの訴求にダイレクトに影響します。広告案を検討する際は、そもそも何に関する広告かが一目で分かるようになっているか、ユーザーの目に留まりやすいデザインになっているかなど、客観的な見え方を意識しましょう。また、想定される広告枠の種類を考え、広告フォーマットや広告内での表現を工夫することもポイントです。

デジタルチェンジは、クライアント様の状況にマッチしたクリエイティブの作成についてアドバイスを行っています。より早く最適化を希望するお客様には、1200*628サイズと1080*1080サイズの二種類のクリエイティブを作成頂き、ABテストをしてどの組み合わせが良いか検証し、勝ちパターンを見つけていきます。固定サイズで配信をする場合は、SP(スマートフォン)での表示を重視した運用をしています。

ディスプレイ広告の写真は万人の興味をひくものにすることが重要です。例えばマンション販売の広告では、外観写真よりも内観写真を表示させ、リビングが広い様子を見せることでCVRを上げることができました。外観の良さは人によって趣味が違うものですが、広いリビングへの憧れは多くの人が持つ感情だからです。

継続的に見直しを実施する

ディスプレイ広告は長期間同じものを表示させ続けるとユーザーが飽き、効果が薄れてしまいます。季節変動に応じて、クリエイティブの入れ替えが求められます。

ディスプレイ広告は一度出稿して終わりではなく、アクセス解析ツールを活用してクリック数やコンバージョン率、サイトアクセス数、CPA(顧客獲得単価)などの評価指標を分析しながら、継続的に効果検証を行う必要があります。また、自社の商品・サービスと関連性の高いサイトに掲載されているか、広告ごとにパフォーマンスの差がないかなどをチェックして、必要に応じて設定を変更し、改善を繰り返すことが重要です。広告の効果検証を自社だけでは対応し切れないという場合、代理店への依頼を検討することもおすすめします。

まとめ

ディスプレイ広告で成果を出すためには、広告運用の目的やターゲットのペルソナを具体化し、それらに合わせたクリエイティブを制作することが欠かせません。また、広告を出稿したあとも定期的に効果測定を行い、ターゲティングやクリエイティブを見直していく必要もあります。効果が得られるまでには時間も要しますが、改善を繰り返しながらコンバージョン率の高い広告運用を目指しましょう。

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