一口にディスプレイ広告といってもいくつか種類があり、対象となるバナーサイズもさまざまです。広告の種類とバナーサイズは、広告運用の目的や商品・サービスの特徴に合わせて選ぶ必要があります。
そこで本記事では、GoogleとYahoo!のディスプレイ広告について、種類やバナーサイズについて解説します。
ディスプレイ広告のメニュー
「ディスプレイ広告」とは、広告枠が設けられているWebサイトのコンテンツに応じて配信されるWeb広告です。ここでは、ディスプレイ広告にどのようなメニューがあるかを解説します。
Googleのディスプレイ広告メニュー
Googleのディスプレイ広告では、「レスポンシブディスプレイ広告」「レスポンシブ広告」「アップロード型ディスプレイ広告」「ファインド広告」といったフォーマットを選択できます。
レスポンシブディスプレイ広告
レスポンシブディスプレイ広告とは、画像や説明文など必要な素材をアップロードすることにより、機械学習モデルが配信先の広告スペースに合わせ、 広告サイズや表示形式、フォーマットを自動で調整してくれる広告のことです。
あるサイトではバナー広告として、一方ではテキスト広告として表示され、画像よりも動画のほうが有効とGoogle広告に判断されれば、動画広告が表示されます。Google ディスプレイネットワークでは、レスポンシブディスプレイ広告がデフォルトに なっています。
広告を作成するには、広告の見出し・説明文・ロゴをそれぞれ最大5種類、画像を最大15枚用意する必要があります。
なお、Googleの発表によれば、広告見出しや説明文などを1組しか用意しない場合と比べ、それぞれを複数組用意した場合は、コンバージョンの獲得に平均10%以上の差が生じるという分析結果が出ているそうです。
クリックをしてもらうにはユーザーの目に留まる必要があるので、アイキャッチできる素材を選ぶことがポイントです。
デジタルチェンジが担当させていただいた案件の例でいえば、車の広告で、車の外観の写真だけを大きく載せるより、外観と内装の写真を半分ずつ出すことでクリック率を上げることができました。
レスポンシブ広告
レスポンシブ広告とは、広告サイズやレイアウトをデバイスの画面に合わせて自動的に調整してくれる広告をいいます。
Googleのレスポンシブ広告でも、広告の見出しや説明文、画像をアップロートするだけで、Googleディスプレイネットワーク(GDN)全体に広告が配信されます。
ただ、レスポンシブ広告のすべての機能はレスポンシブディスプレイ広告に含まれているので、現在デフォルトで設定されているのはレスポンシブディスプレイ広告です。
そのため、既存のレスポンシブ広告を運用している場合、編集内容はレスポンシブディスプレイ広告に自動変換されることになります。
アップロード型ディスプレイ広告
Google版のバナー広告です。レスポンシブ広告ではGoogleがそれぞれの広告枠に対応した広告を作成するのに対し、アップロード型ディスプレイ広告では、独自に作成した様々なファイル形式の広告を配信できます。カスタムした広告は動画リマーケティングのフィードに添付することも可能です。
ただ、カスタム広告があらゆる広告枠に収まるとは限らないため、見出しや説明文といったアセットを入稿して、レスポンシブディスプレイ広告の作成が必要なケースもあります。
ファインド広告
ファインド広告では、Googleユーザーの属性や意向を把握する独自の技術により、商品やサービスへの関心度が高く、顧客化する可能性の高いユーザーを選んで視覚に訴えるクリエイティブを表示します。
見出しや画像、ロゴなどのアセットを入稿すると、設定されたCPAと予算に応じて広告が表示される仕組みです。画像の入稿規定が他の広告よりも厳しくなっているので注意が必要です。
Yahoo!のディスプレイ広告メニュー
Yahoo!のディスプレイ広告では、「テキスト広告」「バナー広告」「動的ディスプレイ広告」「PCブランドパネル広告」「カルーセル広告」といったメニューが用意されています。
Google広告と同様に、それぞれフォーマットや目的が異なります。
テキスト広告
Yahoo!広告のテキスト広告の内容はタイトルと説明文、表示URLです。広告をクリックすると設定したリンク先URLに遷移します。
広告掲載面はテンプレート広告やバナー広告が表示されるのと同じ面で、広告のテキストの最下部に、「Yahoo!JAPAN広告」と記載されています。
バナー広告
画像もしくは動画のみを表示する広告です。画像広告であれば、規定サイズの画像を用意するだけで入稿できます。対応しているファイル形式はGIF 89a/JPEG/PNGの3種類です。
一方の動画広告では、.mp4のフォーマットにのみ対応しています。
動的ディスプレイ広告
動的ディスプレイ広告では、テキストや画像だけでは表現しきれない情報も伝えられるため、商品やサービスの魅力をより印象的にプロモートできます。
動画だけでなく、説明文やクリックを促すボタンを表示させることも可能です。スマホ版Yahoo! JAPANのトップページだけでなく、Yahoo! JAPANが提供する一部サービスでも掲載できます。
動画をクリックした際の挙動については、「リンク先のURLページを表示」「全画面で再生」「画面上部で動画を表示し、下部でLPもしくはアプリのインストールページを表示」の3パターンがあります。
ユーザーのデバイスや掲載先サイト、広告キャンペーンの目的などにより、最適なパターンが選択される仕組みです。
ブランドパネル広告
ブランドパネル広告とは、Yahoo! JAPANのトップページに掲載できる広告のことです。
以前は最低入札価格が設定されていましたが、2019年5月から制限が撤廃され、現在は少ない予算でも広告を掲載できるようになっています。
Yahoo!検索のトップページという目立つ位置のため、ほかの広告枠と比較して高いクリック率が期待できるほか、信頼性が重視される商品・サービスのブランディングにも効果的です。
広告は静止画だけでなく動画も選択できます。
カルーセル広告
カルーセル広告とは、画像やテキストで構成された「カルーセルカード」を2枚以上組み合わせて表示する、横長のバナー広告です。
各カードに異なる画像やリンク先のURLを設定すれば、商品やサービスのさまざまな特徴を伝えられます。カードをスワイプすれば複数のカードを表示できるため、ブランドストーリーを紹介する際などに便利です。
現時点では、PC版およびスマートフォン版(Webのみ)Yahoo! JAPANのトップページのみが広告掲載対象とされていますが、2021年8月下旬から順次スマホ版アプリでも対応が予定されています。
Googleディスプレイ広告のバナーサイズ
ここでは、Googleディスプレイ広告のバナーサイズをご紹介します。バナーサイズの単位はすべてpixel(ピクセル)です。なお、以下の情報は2021年7月時点でのものです。
場合により変更となる可能性があるため、実際に広告を利用する際は、公式サイトの情報を各自ご参照ください。
レスポンシブ ディスプレイ広告
複数のサイズパターンがあり、サイズごとに対応しているデバイス(パソコン・タブレット・スマートフォン)が異なります。480×60と320×100はYahoo!広告でも共通で利用されているので、用意しておくと効率的な広告運用が可能になります。
より多くの広告枠で掲載したい場合は、さまざまなバナーサイズを網羅的に揃えておくとよいでしょう。
モバイルデバイス
- 300×250
- 320×50
- 320×100
- 250×250
- 200×200
パソコン
- 300×250
- 336×280
- 728×90
- 970×90
- 468×60
- 300×600
- 160×600
- 250×250
- 200×200
レスポンシブ広告
レスポンシブ広告のバナーサイズは、上記のレスポンシブディスプレイ広告バナーサイズをご確認ください。
アップロード型ディスプレイ広告
「スクエアとレクタングル」「スカイスクレイパー」「ビッグバナー」「モバイル」といった種類があり、同じ種類の中にも複数のサイズが用意されています。
スクエアとレクタングル
- 200×200
- 240×240
- 250×250
- 250×360
- 300×250
- 336×280
- 580×400
スカイスクレイパー
- 120×600
- 160×600
- 300×600
- 300×1,050
ビッグバナー
- 468×60
- 728×90
- 930×180
- 970×90
- 970×250
- 980×120
モバイル
- 300×50
- 320×50
- 320×100
デジタルチェンジでは、Facebook、Instagram広告では1080×1920、1920×1080、Googleディスプレイ広告では300×250,336×280の固定サイズバナーを用意することをおすすめしています。
ファインド広告
ファインド広告では「横向き」「正方形」「縦向き」の3種類に分かれていますが、最大サイズはいずれも5MBで共通です。
横向きの画像(1.91:1)
- 最小サイズ:600×314
- 推奨サイズ:1,200×628
正方形の画像
- 最小サイズ:300×300
- 推奨サイズ:1,200×1,200
縦向き(4:5)
- 最小サイズ:480×600
- 推奨サイズ:960×1,200
Yahoo!ディスプレイ広告のバナーサイズ
続いて、Yahoo!ディスプレイ広告のバナーサイズをご紹介します。バナーサイズの単位はすべてpixel(ピクセル)です。
なお、こちらの情報も2021年7月時点のものゆえ、変更になる可能性があるため、広告利用時には公式サイトの情報を改めてご参照ください。
レスポンシブ広告
画像
- 300×300
- 1,200×628
ロゴ
- 180×180のみ
バナー広告
バナー広告のサイズはデバイスによって異なり、それぞれ複数のパターンがあります。
パソコン・タブレット
- 600×600
- 300×250
- 468×60
- 728×90
- 160×600
- 300×600
スマートフォン
- 600×600
- 300×250
- 320×50
- 728×90
- 468×60
- 160×600
- 320×100
- 640×360
デジタルチェンジでは、Yahoo!ディスプレイ広告では300*250の固定サイズバナーを用意することをおすすめしています。
動的ディスプレイ広告
キャンペーンバナー
- 600×500
- 600×80
- 600×600
- 600×1,200
ロゴ
- 400×200
- 600×80
- 600×600
ブランドパネル
PC
- 画像:600×600
- 動画:640×360もしくは600×600
モバイル(スマートフォン)
- 静止画:640×360
- 動画:640×360
カルーセル広告
カルーセル広告のバナーサイズは、現時点では600px×600pxのみです。一部ユーザーのみに提供している予約型ディスプレイ広告の場合は、640px×360pxも選択できます。
Googleディスプレイ広告はYahoo!ディスプレイ広告に比べ、CPCが安価です。広告を広く認知させたい場合はGoogleディスプレイ広告、ターゲットを細かく指定したい場合はYahoo!ディスプレイ広告で絞って配信すると良いでしょう。
Googleディスプレイ広告に連動してYahoo!ディスプレイ広告の面にも出るようになったので、その点はGoogleディスプレイ広告のメリットといえます。
一方、Yahoo!ディスプレイ広告では、Yahoo!面に広告が出されるので安心感を持たせることができること、サーチターゲティングができること、地方向けの広告が効果的というメリットがあります。
まとめ
今回は、ディスプレイ広告の画像サイズについて解説しました。ディスプレイ広告には主に、表示形式やフォーマットの調整を自動で行えるものと、独自に作成するものとがあります。
それぞれ用途が異なるため、広告運用の目的に応じて最適な広告を使い分けることが大切です。広告によっては特定のバナーサイズが推奨されている場合もあるため、本記事でご紹介したサイズのリストや公式サイトの情報を参考に、適切な広告運用を実現しましょう。