Facebook広告のよくある質問11選

Facebook広告は、現在ビジネスに取り組むうえで避けて通れない重要な広告媒体です。

弊社はFacebook広告の運用支援を通じて数多くの企業さまのビジネスをサポートしており、契約前後を問わず、数多くの方々からご質問をいただいています。

今回は、お客さまからいただくことの多い質問のうち、Facebook広告に関するものを10個ピックアップし、回答します。

なお、記事の中で掲載されていない疑問にも回答できますので、ぜひお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

基本的な特徴に関する質問

まずは、Facebook広告を運用する前に知っておくべき基本情報を解説します。また、Facebook広告の運用について情報収集するなかで混乱しがちな用語についても、簡単に解説します。

メリット・デメリットは何ですか?

Facebook広告を導入するか否かを判断するにあたって、メリット・デメリットは、とくに気になるポイントのうちの1つです。

以下で説明するメリット・デメリットを参考に、他の広告手段と比較検討し、自社の商品・サービスのPRにFacebook広告が適しているのかを検討してください。

メリット

Facebook広告のメリットは、主に以下2つです。

  • ターゲティングの精度が高い
  • 各購買ステップのユーザーにアプローチできる

ターゲティングの精度が高い

Facebookは他の多くのSNSと異なり、基本的に実名で登録・利用します。また、就業先や趣味関心などの情報も登録されていることが多いです。

そのため、ユーザーの属性を正確に把握しやすく、自社の商品・サービスに興味のあるユーザーを対象にしやすいという特徴があります。

各購買ステップのユーザーにアプローチできる

Facebook広告は、「認知」「検討」「コンバージョン(購入)」という3段階の目的を設定し、それぞれのユーザーに的確な広告配信をおこなうことが可能です。

「認知」を目的とする広告配信では、ユーザーに商品やサービスを知ってもらうために、動画広告やテキスト広告を用います。また、次の「検討」「コンバーション(購入)」にユーザーを誘導することも狙います。

「検討」を目的とする広告配信では、自社のFacebookページに集まる「いいね!」数を増やしたり、自社の商品・サービスへの関心を高めたりするために、ユーザーのタイムラインに広告を表示させます。

また、ユーザーの連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を取得するためのリード獲得広告なども活用できます。

「コンバージョン(購入)」を目的とする広告配信では、カルーセル広告やスライドショー広告を用いて複数の商品を比較検討してもらい、より多くのコンバージョンを得ることを狙います。

デメリット

Facebook広告の主なデメリットは、以下の2つです。

  • 仕様変更が多い
  • 効果検証に時間がかかる

仕様変更が多い

Facebook広告は、検索連動型広告やディスプレイ広告などと比べ、仕様が変更になる頻度が高いです。

そのため、広告運用をおこなうためには、常に最新の情報をインプットし続けておく必要があり、学習コストがかかる傾向にあります。

効果検証に時間がかかる

メリットで説明したように詳細なターゲティングができ、各購ステップのユーザーにマッチした広告配信ができる一方、広告効果を左右する要素が複雑化する傾向にあります。

その結果、しっかりと指標を定めておかなければ、効果測定が困難になってしまいます。

Instagram広告との違いは何ですか?

FacebookとInstagramは、サービスの提供元が同じであり、相互に関連性があるSNSです。

そのため、Facebookの広告配信をする際には、Instagram広告の配信もセットで検討するケースが多いのですが、この両者にはどのような違いがあるのかを把握しておく必要があります。

両者の最大の違いは、メインとなる対象顧客層です。Facebookのメインユーザー層が40~50代の男性であるのに対し、Instagramは20~30代の女性がメインユーザー層です。

また、Facebookにはビジネス目的で利用しているユーザーが多く、Instagramにはプライベート目的で利用しているユーザーが多い傾向にあります。

よって、Facebook広告は、比較的年齢層が高めで、ビジネスをしている男性に向けて訴求する際に有効だといえます。

一方のInstagramは、年齢層が若い女性ユーザーを対象する商品・サービスの訴求に向いています。

「ビジネスマネージャ」「広告マネージャ」「広告アカウント」とは何ですか?

ビジネスマネージャ、広告マネージャ、広告アカウントはいずれも、Facebook広告を運用するために必要なアカウントおよび機能です。

企業が運用するためのFacebookページ、各担当者のアカウントと合わせて、これらのツールおよび機能の関係性を図示すると、以下のようになります。

ビジネスマネージャ

企業のFacebookページ・各担当者のアカウント・広告アカウントの3つを、管理するためのツールです。

たとえば、クレジットカードの登録や広告の管理権限などが担当者個人のアカウントと紐付いてしまうと、コンプライアンス上や手続き上の問題が起こりえます。

ビジネスマネージャを活用することで、各担当者がプライベートで使用している個人名のFacebookアカウントを、ビジネス利用のアカウントから分離できます。

そのため、ビジネス目的でFacebookを運用する場合には、ビジネスマネージャは必須のツールといえます。

広告マネージャ

広告マネージャは、ビジネスマネージャの機能のひとつです。広告アカウントと紐付いており、目的別の広告を複数作成・管理することで、配信効率を上げられます。

広告アカウント

広告アカウントは、FacebookやInstagramで広告を配信するために必要となるアカウントです。

Facebook広告やInstagram広告を配信するには、ビジネス目的でのFacebook・Instagramアカウントとは別に、この広告アカウントを開設する必要があります。

広告形式に関する質問

Facebook広告では、どのような広告が配信できるのかを解説します。

種類が豊富なため、一覧で把握したうえで、自社の目的に合致した形式を利用するのがおすすめです。

どんな種類があるのですか?

Facebook広告で配信できる広告の種類と特徴は、以下のとおりです。本記事では、Facebook広告で利用できる広告の全体像を把握していただくために、1つ1つについてはごく簡単な説明にとどめます。

種類 特徴
写真広告 ・画像をメイン要素とし、テキストと共に表示される

・設定が簡単なため、Facebook広告の運用が初めての方にもおすすめ

動画広告 ・フィード画面に配信され、自動で再生される

・画像クリエイティブよりも多くの情報を発信できる

スライドショー広告 ・数枚の画像が、自動的に切り替え表示される

・画像1枚だけの広告よりも多くの情報を提供できる

・動画広告よりもスムーズに表示できる

カルーセル広告 ・複数の動画または画像が、スワイプやクリックによって切り替え表示される

・CTA(商品購入や資料請求などのアクションを受け付けるためのボタン)を設置可能

インスタントエクスペリエンス

(旧:キャンバス広告)

・スマホに最適化された専用ビューワーで表示される

・画像広告、動画広告、カルーセル広告、スライドショー広告の4種類に対して設定可能

コレクション広告 ・画像または動画の下に、商品の画像が複数枚表示される

・出稿するには、商品画像が4枚以上必要

ダイナミック広告 ・ユーザーの閲覧履歴をもとに表示される

・出稿するには、訴求したい商品・サービス情報の登録が必要

リード獲得広告 ・見込み客の情報を取得するための広告

・CTAのリンク先は、資料請求やお問い合わせ用のフォーム(ユーザーの情報は自動入力される)

イベント広告 ・特定の日程に開催するイベントを告知するための広告

・出稿するには、Facebookのイベントページ作成が必要

費用に関する質問

Facebook広告の運用で必要な費用について解説します。費用の相場や、費用が発生する仕組みについて理解しておくことは、広告運用を効率的におこなうために重要です。

費用はどのように決まるのですか?

Facebook広告の課金方法には、クリック課金制とインプレッション課金制の2パターンがあります。

クリック課金制

広告1クリックにつき費用が発生する課金方式です。1クリックあたりの費用である「クリック単価」は、100~200円程度になるのが一般的です。

商品の購入やサービスの申し込みなど、ユーザーのアクションを促進したい場合に活用すると効果的です。

インプレッション課金制

広告の表示回数に応じて費用が発生するタイプの課金方式です。広告表示1,000回あたりの費用である「インプレッション単価」は、100~500円程度が相場です。

ブランディングや認知度アップを目指したい場合に活用すると効果的です。

表示の仕組みについての質問

Facebook広告が表示される際の仕組みについて解説します。表示の仕組みを把握しておくことで、改善点を見つけやすくなったり、設定の誤りに気づきやすくなったりします。

どこに表示されるのですか?

Facebook広告が表示される場所は、主に以下の3箇所です。

その他、Messengerアプリなど、Meta社が提供しているサービスにて表示されることがあります。

ストーリーズ

Facebookのストーリーズ機能を使用すると表示されます。ユーザーがフォローしているアカウントのストーリーズが流れる合間に表示されます。

ストーリーズは、近年人気のコンテンツであるため、クリエイティブを工夫することで、他の配信面よりもユーザーの興味を惹ける可能性があります。

右側広告枠

Facebookをパソコンで開いた際、右上に表示される広告枠です。パソコンでしか表示されないため、スマホユーザーへの訴求はできません。

フィード広告と異なり、固定表示されるという特徴があります。明らかに広告だとわかっていても関心をもってくれるような、顕在層への訴求に向いています。

フィード

Facebookにおけるタイムラインに該当し、Facebookを起動した直後に目に留まりやすい箇所です。

一般ユーザーの投稿に馴染む形で表示させられるため、広告を好まないユーザーにも、抵抗感を抱かせずに表示できます。

その反面、ユーザー投稿に伴って流れてしまうため、配信のタイミングが重要です。

どのような仕組みで表示されるのですか?

オークション結果の判断基準は、以下の3つです。

  1. 入札価格
  2. 推定アクション率
  3. 広告品質

入札価格は、広告主が設定した上限費用によって決まります。

推定アクション率とは、特定のユーザーがその広告経由で何らかのアクションを起こす可能性を示す推測値のことです。

広告品質は、ユーザーからのフィードバックや、低品質とみなされる広告の特徴などと照らし合わせて、その広告がユーザーにとってどれだけ有益かを判断する指標です。

広告審査とは何ですか?

広告は、Facebookの広告審査基準を満たしていなければ出稿できません。この審査は、広告を公開すると即時に開始され、通常24時間以内に完了します。

不承認の場合は、問題点を修正して再申請するか、新しく別の広告を作る必要があります。もし審査の判断に不服がある場合には、再審査のリクエストも可能です。

どのような基準があり、どのような広告が不承認とされるのかは、以下のページに詳しく記載されています。

Facebook(広告ポリシーについて)

活用のコツに関する質問

最後に、Facebook広告を活用し、成果を挙げるために意識すべき点について解説します。

対象顧客はどのように絞り込めますか?

Facebook広告では、以下3つのターゲティング方法があります。

  1. コアオーディエンス
  2. カスタムオーディエンス
  3. 類似オーディエンス

【ターゲティング方法1】コアオーディエンス

ユーザーのFacebook登録情報やWeb上の行動履歴などをもとに、広告のターゲットを決める方法です。

年齢や性別などのデータや位置情報、興味・関心、行動(過去の購入履歴やデバイスの利用状況など)などをもとに、細かくルール設定することができます。

広告主のFacebookページと「友達」になっているユーザーへのターゲット設定も可能です。

【ターゲティング方法2】カスタムオーディエンス

自社の商品・サービスに関心を持っていたり、オンライン・オフラインで何らかのアクションを起こしたことのあるユーザーをターゲットとする方法です。

自社サイトに訪れたことのあるユーザーや、メールアドレスを知っているユーザーなど、何らかの接点をもっているユーザーをターゲティングできます。

【ターゲティング方法3】類似オーディエンス

既存顧客と共通の興味や関心を持ち、自社の商品・サービスに関心を示す可能性が高いと思われる利用者をターゲットとする方法です。

元になる既存顧客の情報を「カスタムオーディエンス」として指定したうえで、エリアなどを設定することで、属性や興味・関心が類似したユーザーをターゲティングできます。

自社にとって理想的な顧客のデータでカスタムリストを作成し、そのデータ数が充実しているほど、類似オーディエンスの精度も上がります。

上手に運用するためのポイントは何ですか?

Facebook広告の運用を成功させるためのポイントのうち、主なものを2つ解説します。

【ポイント1】Facebookピクセルを活用する

Facebookピクセルとは、Facebook広告からリンクしたユーザーがサイト上でどのような行動をとったのかを計測するために、サイト上に設置するコードのことです。

こうした行動履歴に関する情報は、先ほど解説した「オーディエンス」の元データにできます。そして、オーディエンスを利用して広告配信をおこなうことで、通常よりも費用対効果の高い運用が可能になります。

【ポイント2】A/Bテストを実施する

広告マネージャには、A/Bテストをおこなう機能がついています。

A/Bテストとは、複数の広告パターンを試し、ユーザーからの反応がよいものを判断するための分析手法で、広告運用以外の場面でも一般的におこなわれています。

ターゲティングやクリエイティブなどを入れ替えてPDCAを回し続けることによって、より高い効果の見込める広告が出せるようになります。

まとめ

本記事では、Facebook広告の運用に関して、弊社に寄せられることの多い質問を取り上げました。

コラム記事という限られたスペースでは、どうしても簡易な解説となってしまうため、まだ疑問が解消しきれていないという方もいらっしゃるかもしれません。

本記事で解説しきれなかった詳しい内容や、本記事で取り上げられなかった疑問点など、Facebook広告に関するご不明点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。