Facebook広告で設定できるターゲティングの種類と使い方のコツ

Facebook広告は、Facebookだけでなく、提携しているアプリやWebサイトなどさまざまな媒体へ配信できるのが特徴です。Facebook広告で成果を得るには、適切なターゲティングが欠かせません。本記事では、Facebook広告で設定できるターゲティングの種類や、使い方のコツについて解説します。

Facebook広告のターゲティングとは

Facebook広告のターゲティングとは、ターゲット設定を行うための機能で、オーディエンスと呼ばれます。広告を見てほしい層や、関連性の高そうなユーザーに広告を配信するために用いられます。

Facebookのユーザーは世界中におり、さまざまな層が使用しています。そのため、広告の効果を最大化するには、適切にターゲティングを行い、狙っている層へアプローチを行う必要があるのです。

たとえば、東京都渋谷区で、実店舗販売のみを行っているアパレルショップがあるとしましょう。この場合、狙うのは渋谷区やその近隣に住む、ファッションに興味がある若い世代です。極論をいえば、この層以外の人に広告を見てもらっても、売上にはあまり結びつかないでしょう。

コンバージョン獲得出来るユーザー層の絞り込みが出来れば、広告配信の範囲を広げてコンバージョン数の積み上げをしていくのもおすすめです。

Facebook広告では、性別や年齢、興味、職業など、複数の要素を組み合わせて細かくターゲティング可能で、ピンポイントに訴求できます。

高精度なターゲティングを実現できるのは強みですが、あくまで適切な設定と運用が大前提です。誤った知識で間違った方法を実践してしまうと、望む成果は得られないでしょう。費用対効果の高い広告運用を行い、望む成果は得るためには、ターゲティングの種類を理解し、コツも把握しておく必要があります。次から、具体的にお話ししていきましょう。

Facebook広告で設定できるターゲティングの種類

設定できるターゲティングの種類は、大きく3つにわけられます。コアオーディエンスとカスタムオーディエンス、類似オーディエンスが該当します。具体的にどのような要素でターゲットを設定できるのか、詳しく見ていきましょう。

コアオーディエンス

コアオーディエンスは、ユーザーの基本的な情報や行動から、ターゲットを設定できます。登録してある地域や年齢、性別、学歴、役職などのほか、興味や関心があることでターゲティングを行えます。

また、自社とつながりがある人の分類も可能です。たとえば、自社のページへ「いいね」をしてくれたユーザーや、イベントに回答してくれた人、アプリを使用したことがある人などを選択できます。さらに、デバイスの利用状況や過去の購入履歴など、ユーザーが起こしたアクションに照準を合わせることも可能です。

Facebookは他のSNSに比べて、ユーザーの登録項目がたくさんあります。もちろん、すべての項目が登録必須ではないのですが、ヘビーユーザーは多くの項目に入力しています。ユーザーの情報量が多いからこそ、より精度の高いターゲティングができるのです。

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスは、自社で獲得したリストやアプリの利用者、サイト訪問者などから、広告を配信する層を設定できます。たとえば、過去の営業活動で、顧客の住所や電話番号、メールアドレスなどの情報を獲得できているとしましょう。この場合、これらのデータをFacebookのユーザー情報と紐づけて、広告を配信できるのです。ただ、これらは個人情報であるため、運用にあたっては十分注意しなくてはなりません。

また、自社がリリースしたアプリをインストールした人、起動した人などを配信の対象にすることも可能です。これまでの課金状況により対象を設定できるため、高精度な広告配信を実現できるでしょう。

自社のホームページや、ECサイトなどへアクセスした方への広告配信も可能です。ページへの滞在時間が長いユーザーを対象に、広告を配信できます。滞在時間の長さは強い関心の現れと考えられるため、効果的な配信が実現します。

類似オーディエンス

カスタムオーディエンスに類似したユーザーへアプローチできるのが特徴です。広告の運用効果を高めるには、より多くの人々に見てもらわなければなりません。しかし、やみくもにいろいろな人へ配信しても、成果へ結びつかないのも事実です。

カスタムオーディエンスに類似した特徴をもつユーザーなら、自社の商品やサービスに興味をもってくれる可能性が高まります。そこから、新規顧客の獲得に結びつくことは、十分考えられるでしょう。

なお、類似オーディエンスでは、類似度の調整が可能です。類似度は、指定エリアの人口、1~10%で設定できます。1%に近いほど類似度は高くなりますが、配信の対象となるユーザーは少なくなるため注意が必要です。一方、10%に近いと類似度は低くなるものの、配信対象が広がります。

広告の効果が出たのであれば、オーディエンスの類似度のパーセンテージを1%から3%の間で上げて配信の対象を広げ、広告を届けるユーザーの数を多くしてみましょう。効果があまり振るわなければ、興味・関心のデータを掛け合わせ、ターゲットを絞り込むのがポイントです。

Facebook広告におけるターゲティングの使い方のコツ

Facebook広告を運用しているのなら、ターゲティングは当たり前に行っていると考えられます。ただ、いろいろ試しているものの、成果に結びつかないといったケースも少なくありません。そこで、ここではターゲティングを行うときのコツをいくつかご紹介しましょう。

ターゲット設定を絞り過ぎない

ターゲットを細かく設定すればするほど、成果に結びつくと考えている方は少なくありません。ある程度対象を絞り込むことは大切ですが、あまりにも細かく設定してしまうと、逆効果になるおそれがあります。

対象を絞り込みすぎると、成果に結びつきやすいユーザーに広告を配信できるのは事実です。しかし、配信できる層が狭くなりすぎてしまい、潜在顧客の獲得やデータ収集に悪影響をおよぼしてしまいます。モチベーションの高そうなユーザーへアプローチできたとしても、それが必ずしも成果につながるとも限りません。費用対効果が悪くなるおそれもあるため、注意が必要です。

よくあるのは、コアオーディエンスで細かく設定しすぎてしまうケースです。「東京都渋谷区円山町に住む20歳の女性で早稲田大学卒、OL経験があり旅行やファッションに興味がある」といった具合です。かなりピンポイントな設定なので、これでは成果につながりにくいでしょう。

デジタルチェンジでは、まず性別×年齢×興味関心でターゲットを絞り込みます。加えて、エリアが限定されている場合はエリアでも絞り込みます。クライアント様の方ですでにFacebookアカウントを運用しており、クライアント様のFacebookページにファンの方がいらっしゃる場合、エンゲージメント(コンテンツに対して何かアクションを実行したことがある人の集団)の情報も参考にターゲティングを行います。

広告のメインターゲットとしたいユーザーの年齢が30代後半以降である場合は、特にFacebookでの広告配信が効果的なので、実施することをおすすめします。 30代後半以降のユーザーは、ニュースを見る感覚でFacebookを活用し、情報収集をする傾向があるからです。ただし、上記ですでに触れたように、ターゲットを絞り込み過ぎるとパフォーマンスが悪くなることもあるので注意しましょう。広告予算が許す範囲で、より多くの人に広告が届くように設定することが必要です。

複数設定する

オーディエンスを複数設定して並行配信するのも、成果を得るためのコツです。それぞれの反応率を分析することにより、効果的な運用も行えます。ターゲットを詳細に絞り込んで配信したいのなら、特に複数オーディエンスでの広告配信がおすすめです。

たとえば、カスタムオーディエンスで条件をわけるのもひとつの手です。コアオーディエンスを細かく設定し、カスタムオーディエンスの条件でそれぞれわけて配信を行うのです。

カスタムオーディエンスの効果の高い使い方として、クライアント様の方で持っている既存案件のメールアドレスや電話番号などの識別情報(顧客情報)を共有いただき、Facebook内で類似のユーザーに配信する方法もあります。Facebookにアップロードした顧客リストの情報は、個人を特定できないようにハッシュ化(暗号化)されます。その情報をもとにFacebookが類似した顧客を自動で検出し、広告を配信できる仕組みになっています。

重複を避ける

オーディエンスをいくつか設定して運用を行う場合、ユーザーの属性が重複してしまう可能性があります。このような状況下においては、自社の広告同士が競合してしまうおそれがあるため、注意が必要です。たとえば、類似オーディエンスを複数設定する場合、オーディエンスサイズをすべて3%に設定してしまう、といったケースが考えられます。

オーディエンスの重複によって、自社の出稿した広告が競合してしまうと、配信数が少なくなってしまいます。当然、ユーザーの目に触れる機会が少なくなり、望むような成果を得られなくなるおそれがあるのです。

このような事態を回避すべく、いくつものオーディエンスを設定するときは、重複しないよう作成しなくてはなりません。先述した類似オーディエンスのケースでも、類似率を2%、4%、6%のようにそれぞれ変えておけば、反応率の分析がしやすくなるでしょう。

まとめ

Facebook広告のターゲティングには、コアオーディエンスやカスタムオーディエンス、類似オーディエンスの3つがあります。まずはこの3つについて、何ができるのかを正しく理解することから始めましょう。

実際のターゲティングにおいては、設定を絞り込みすぎないこと、複数設定すること、重複しないことを覚えておいてください。コツを踏まえたうえで、成果につながる運用を目指しましょう。