Google広告には、複数の種類があります。種類によって向き不向きがあるため、どの広告を使用するかを判断することは非常に重要です。
使用する広告を判断するためにチェックすべき視点はさまざまありますが、まずはGoogle広告の全体像を大まかに把握しておく必要があります。
本記事では、「どれだけ広くユーザーに届くか」「どれだけ深くユーザーに届くか」の2軸でGoogle広告6種類を簡単に分類したうえで、各広告の特徴について5項目の視点で解説していきます。
Google広告の種類6つ
以下の図は、「リーチできるユーザー数の多さ」をX軸、「ユーザーの確度の高さ」をY軸にとり、各広告を分類したものです。
あくまでも一例ではありますが、Google広告の全体像を大まかにイメージしていただけるかと思います。
本記事では、この図の左上に位置する広告から順に、Google広告の各種類について特徴を解説していきます。
なお厳密な定義としては、「リスティング広告」の一形態として「ディスプレイ広告」が存在します。
ただ、「検索連動型広告」のみをリスティング広告と表現するケースも多いため、本記事では便宜的に「リスティング広告(検索連動型広告)」と「ディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)」は、区別して解説します。
1.ローカル検索広告
ローカル検索広告は、自社のビジネス拠点や店舗を、その位置情報とともに宣伝できる広告です。
以下の画像のようなイメージで表示されます。
表示場所
Googleの検索結果画面やGoogleマップに表示できます。
Googleマップ内での検索の際、ユーザーが検索語句を入力している最中に、ユーザーが検索するであろう語句を予測して近隣の店舗を表示する機能もあります。
メリット
店舗の近くにいるユーザーや、「地名+サービス名」などのキーワードで検索しているユーザーに広告を表示できるため、実際に店舗や事務所に足を運んでもらえる可能性の高いユーザーにアプローチできます。
オフィスや店舗の電話番号を登録することで、ユーザーからの電話問い合わせを増加させられる点も特徴です。
また、顧客レビューや店舗写真などがまとまったビジネス情報ページを閲覧してもらうことで具体的に自社のことを知ってもらえるので、来店後のミスマッチも起こりづらくなります。
設定の必要な項目が少ないため、簡単に広告配信を開始できます。
必要事項を設定しておけば、それ以降はターゲットユーザーにリーチできるよう自動的に調整されるため、細かくチューニングをする必要がない点も便利です。
デメリット
ユーザーの位置情報と自社の店舗やビジネス拠点のエリアが合致していないと表示されません。
また、実店舗やオフィスをもっていなければ使用できないため、オンライン完結のビジネスとの相性はあまりよくないといえます。
費用
以下のボタンをユーザーがクリックするごとに、費用が発生します。
- 「場所の詳細を取得」(クリックすると、緯度経度や詳細な住所などが表示される)
- 「ルート検索」(クリックすると、ユーザーの現在地から店舗までの経路が表示される)
- 「電話番号」(クリックすると電話番号が表示される)
- 「ウェブサイト」(クリックすると、自社のサイトにリンクする)
おすすめの活用法
実店舗やオフィスなどのビジネス拠点をもっている場合は、来店数や問い合わせ数を向上させるために使うのがおすすめです。
とくに、Googleビジネスプロフィール(旧称:と連携することで、ユーザーが「経路検索」や「電話発信」などの来店につながるアクションを起こした回数を計測できます。
どのようなきっかけで来店したのかを可視化できるため、分析次第ではマーケティング戦略を考えるうえでの材料にすることも可能です。
さらに詳細な内容については、Google広告の公式ヘルプサイトの内容も参考にしてください。
2.リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告です。
その特徴から、検索連動型広告とも呼ばれます。
以下のようなイメージで表示されます。
表示場所
Googleの検索結果画面に表示されます。
広告費やキーワードの競争率に応じて、検索結果画面のどの位置に表示されるかが変わります。
検索結果画面最下部や2ページ目以降に表示されることもあります。
メリット
Googleの検索結果画面に広告を出せるため、うまくキーワードを選ぶことで、多くのユーザーに表示させることが可能です。
また、課題や願望に対する解決策を得るために自ら情報収集をおこなっているユーザーにリーチできるため、確度の高いユーザーにアプローチできます。
デメリット
画像などのビジュアル要素を組み込めず、テキストのみで訴求する必要があるため、ブランディング目的には向いていません。
また、ユーザーのニーズに合致したテキストを作成できなければクリックされづらくなるため、成果につながる可能性も低くなります。
費用
ユーザーからクリックされるごとに費用が発生する「クリック課金型」の広告です。
1クリックあたりの費用は、キーワードの競争率や、広告テキストとリンク先ページの内容の関連度など、複数の要素が関連して決定されます。
おすすめの活用法
販売促進や見込み顧客の獲得、サイトの閲覧数増加に効果を発揮します。
製品販売や問い合わせ・資料請求など、コンバージョンを目的とした広告運用との相性がよいです。
さらに、新規作成したWebサイトにアクセス数を増やすことで、SEO上のメリットを得ることもできます。
さらに詳細な内容については、Google広告の公式ヘルプサイトの内容も参考にしてください。
Google 検索ネットワークについて – Google 広告 ヘルプ
3.ショッピング広告
ショッピング広告は、有形の商品を宣伝できる広告です。
購買を前提としたユーザーがクリックすることが多いため、クリック後のユーザーによるコンバージョンは高くなる傾向にあります。
ショッピング広告は、以下のようなイメージで表示されます。
表示場所
Googleの検索結果画面に表示されます。
ただし、検索キーワードではなく、Googleが把握している商品情報にもとづいて表示されます。
メリット
広告に商品情報を直接掲載できるため、予算や性能などを検討したうえで実際に購入する可能性の高いユーザーにアプローチできます。
関連性の高い検索に対して広告が表示されるようGoogle側で調整をしてくれるため、広告運用の知見が少ない場合でも効果的な訴求をおこなえる可能性がある点もメリットです。
また、1 回の検索に対して複数のショッピング広告が表示、ショッピング広告とリスティング広告が同時に掲載されたりすることもあるため、1 回の検索での露出度が向上するというメリットもあります。
デメリット
広告を表示させるためのキーワードを任意に指定できないため、ユーザーのニーズが把握できている場合や、明確に狙いたいキーワードがある場合には、リスティング広告の方が適しています。
予算に余裕がある場合は、できるだけ併用することを推奨します。
費用
ユーザーが広告をクリックした場合に料金が発生する「クリック課金制」を採用しています。クリックされない限りは費用が発生しません。
おすすめの活用法
有形の商品があり、かつ、基本的な商品情報にて競合と比較された際に優位性を発揮できるような場合におすすめの広告です。
あくまでもGoogle側の調整次第ではありますが、リスティング広告と併用して出稿することで、検索結果画面上での自社商品の占有率向上が期待できます。
さらに詳細な内容については、Google広告の公式ヘルプサイトの内容も参考にしてください。
ショッピング キャンペーンとショッピング広告について – Google 広告 ヘルプ
4.アプリ広告
アプリ広告は、スマホ用・PC用のアプリを宣伝するための広告です。
アプリの内容を端的かつ魅力的に訴求することで、ダウンロード数の向上が期待できます。
アプリ広告は、以下のようなイメージで表示されます。
表示場所
Google 検索、Google Play、YouTube、Googleの提携サイトなど、Google の主要サービスにて表示されます。
他にも、関連するアプリを起動した際に表示されることもあります。
広告をクリックすると、GooglePlayストアへ直接リンクし、アプリダウンロードが促されます。
メリット
表示場所が豊富なため、広告文や画像などを用意しておけば、広告が自動で作成されるため、手間がかかりません。
その際は、以下の素材を少なくとも1個ずつは用意しておくことが推奨されています。
- 横向きの画像
- 縦向きの動画
- 横向きの動画
運用を開始すると、Google側で自動的に、ターゲットユーザーにリーチできるよう調整をおこなってくれます。
デメリット
アプリの内容がうまく伝わらない広告を出してしまうと、ダウンロードにつながりづらくなります。
画像や動画の組み合わせ自体はGoogle側でおこなってもらえますが、より正確にアプリの機能やベネフィットを訴求できるような素材を揃えるのは、広告出稿者側の仕事です。
費用
クリックされるごとに費用が発生する「クリック課金制」の広告です。
おすすめの活用法
Googleのサービスを利用している幅広いユーザーに対して、アプリのインストールを呼びかける目的で使用できます。
また、アプリのインストールを促す以外にも、アプリの事前登録を促したり、アプリユーザーを任意のサイトに誘導するための広告としてしたりすることも可能です。
さらに詳細な内容については、Google広告の公式ヘルプサイトの内容も参考にしてください。
アプリ キャンペーンについて – Google 広告 ヘルプ
5.ディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)
ディスプレイ広告は、ユーザーの興味関心などに応じて表示される、画像とテキストが組み合わさった広告です。
バナー広告と呼ばれることもあります。
表示場所
Googleが提携しているサイトやアプリ、YouTubeなどに表示されます。
で出稿するなど、広告の表示面積を大きくできるのも特徴です。
メッリト
Google検索以外の場所でもリーチを拡大できるため、より多くのユーザーにアプローチできます。
画像などのビジュアル要素を活用できるため、ブランディング目的で使用したり、想起率を高める目的で使用したりと、ユーザーからの認知を向上させることが可能です。
クリックごとにかかる費用が比較的安い点も特徴です。
デメリット
より多くのユーザーにアプローチできるものの、特定のニーズをもったユーザーにアプローチするわけではないため、成約率は低い傾向にあります。
ただし、認知を強化することで比較検討の候補に挙がりやすくなるなど、コンバージョンをアシストする効果を見込めます。
費用
クリックされるごとに費用が発生する「クリック課金制」と、広告が表示されるごとに費用が発生する「インプレッション課金制」のどちらかを選べます。
おすすめの活用法
低単価かつビジュアルでの訴求が可能であるため、認知拡大に向いています。
商品・サービスの認知度向上や、比較検討の促進などを狙って活用するのがおすすめです。
なお、広告の効果を高めるためには、以下の要素を用意しておくことが推奨されています。
- 5つ以上の画像
- 2つ以上のロゴ
- 5つの広告見出し
- 5つの説明文
- 1つの動画
さらに詳細な内容については、Google広告の公式ヘルプサイトの内容も参考にしてください。
ディスプレイ キャンペーンを作成する – Google 広告 ヘルプ
6.動画広告(YouTube広告)
YouTubeにて動画形式で商品・サービスなどの宣伝ができる広告です。
なお自社のYouTubeチャンネルに投稿する動画は、宣伝目的で作成・投稿したものであっても、YouTube広告とは表現しません。
以下の写真のようなイメージで表示されます。
表示場所
YouTube内で表示されます。
一定時間経過後にユーザーがスキップできるタイプのものと、終了までスキップできないタイプのものなど、細かく分けると複数の種類が存在します。
メリット
動画を用いて訴求できるため、YouTubeを視聴しているユーザーの印象に残る広告を配信できます。
動画の構成によっては、ユーザーに直接話しかけているような印象の広告を作成することもでき、ユーザーとの関係性構築に役立ちます。
また、自社の動画広告を見たユーザーが、YouTube内でどのような動画を何時間視聴しているか、といった情報も把握できるため、見込み顧客の趣味趣向や潜在ニーズを探る材料として活用することも可能です。
比較的安い単価で広告を配信できる点もメリットだと言えます。
デメリット
広告配信の費用は比較的安価なものの、広告自体を制作するコストが比較的高い点がデメリットです。
少なくとも、広告の台本作成や動画撮影・編集などが必要になるため、手間や費用がかかります。
費用
以下の3タイプから、課金方法を選択できます。
- クリックされるごとに費用が発生する
- 一定時間視聴されると費用が発生する
- 表示(再生)されるごとに費用が発生する
おすすめの活用法
印象に残りやすい広告を配信できるため、認知拡大やブランディングに効果的です。
また、見込み客の関心を高めるためのコミュニケーション手段としても活用できます。
さらに詳細な内容については、Google広告の公式ヘルプサイトの内容も参考にしてください。
YouTube 広告について – Google 広告 ヘルプ
適切な広告を選択することが広告運用成功の第一歩
本記事では、Google広告の各種類について、特徴や活用法を解説しました。
記事内で説明したように、広告で成果を挙げるには、自社がアピールしたい商材・サービスに適した種類の広告を選ぶことが大切です。
適切な判断をするためには、自社の視点だけでなく、外部の視点で客観的に分析してもらうことも有効な手段だといえます。
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