Google、Yahoo!の広告でコンバージョン数を最大化させる5つの方法

Web広告は、配信しさえすれば自然とクリック数やサイト流入が増えるものではなく、サイト訪問後にユーザーがそのまま離脱してしまうケースも少なくありません。この記事では、Web広告のコンバージョンを最大化するための5つの方法を紹介します。

広告運用でコンバージョン数に着目する重要性

広告運用には表示回数やクリック数などを含めて様々な指標があります。どの指標を重要視するかは広告出稿の目的によって異なりますが、ユーザーをWebサイトに誘導してアクションを起こしてもらうための広告では、コンバージョン数に着目することが重要です。

コンバージョンとは、広告をクリックしたユーザーが商品やサービスの購入、資料請求といった広告の目的となるアクションに至ることを指します。Web広告の運用においては、集計期間中に1回の広告クリックに対して発生したコンバージョンの数をコンバージョン数といいます。

いくら他の指標のパフォーマンスが高くても、コンバージョン数が伸びなければ広告の目的を達成できたとはいえません。これを小売店に例えるならば、「来店客が多いにもかかわらず購入までは結びつかない」状態です。利益を最大化するためには、CPA(顧客獲得単価)を下げる工夫も同時に必要になりますが、いくらコストを削減してもコンバージョン数を稼がないことには収益を増やすことはできないでしょう。

なお、コンバージョン数は「クリック数×コンバージョン率」で計算され、コンバージョン数を増やすには、クリック数を増やすか、コンバージョン率を上げる工夫が必要です。さらにクリック数を増やすには、広告の表示回数を増やすかクリック率を上げなければなりません。コンバージョン数が低い場合にWebマーケティングの担当者が陥りがちな失敗は、SEO対策や検索ボリュームばかりに気を取られてコンバージョンに結びつかない記事を量産してしまうことです。そうではなく、コンバージョン数を構成している要素を一つずつ分解して対策を練っていくことを考えましょう。

コンバージョン数を増やす方法を考えるべき理由

コンバージョン数は広告を掲載すれば必ず増えていくというものではなく、たとえ広告の表示やクリックが増えてもコンバージョンには至らない場合もあります。したがって広告を掲載したら終わりではなく、随時コンバージョン数を増やす方法を考えていくべきです。

コンバージョン数が低い要因はWebサイトによってそれぞれ異なります。何らかの原因で広告の表示回数が制限されていてクリック数が上がらない場合もあれば、キーワードやターゲット設定が適切でない場合もあります。あるいはユーザーの求めている情報がないか、問い合わせフォームの位置がわかりにくいのかもしれません。

コンバージョンを最大化する方法は一概にはいえないため、アクセス解析ツールやABテストを活用し、考えられる方法を試しながら改善を重ねていくことが大事です。

予算の上限があることでコンバージョン数の伸びが止まってしまうことも多くあります。そこで、予算を増やせばまだコンバージョン数が伸びるのかどうかを見極めることが重要になります。

デジタルチェンジでは、予算を増やすべきか判断するために、次のような施策を講じています。

一つは、広告出稿後早くて1週間で予算配分の見直しを実施することです。その結果をもとに、リスティング広告だけ、Facebook広告だけ、といったように施策を絞ります。Yahoo広告、Google広告のどちらかで良い結果が出ているときは、お客様に了承を頂き、月途中でも予算配分の見直しを実施します。

もう一つは、コンバージョンが取れているキーワードのインプレッションシェア(広告が表示可能だった回数のうち、実際に広告が表示された回数)に着目することです。インプレッションシェアが50-60%と低い場合はまだ余力があるとみなし、予算を増やすことをおすすめしています。インプレッションシェアが90%以上とれていると増額は難しいという判断をしています。

予算を大きく増額する場合は、リスティング広告とディスプレイ広告それぞれの予算を出し、想起、認知のためのディスプレイ広告のメディアプランを作るなど、新しい媒体を増やす提案をしています。

Web広告は当初の予定とずれることが多くあるため、早めのデータ確認と設定変更が肝要です。代理店を選ぶ際は、スピード感のある対応と、責任をもってビジネスの成果を出す姿勢を持つ会社を選ぶことをおすすめします。

Google、Yahoo!の広告でコンバージョン数を最大化させる5つの方法

ここからは、代表的な広告媒体であるGoogle広告とYahoo!広告を想定し、コンバージョン数を最大化させる5つの方法について解説します。

キーワードの調整

コンバージョン数を上げる方法の一つが、キーワードを見直して広告の表示回数を増やすことです。予算上限によってインプレッションシェア(広告が表示可能だった回数のうち実際に表示された回数が占める割合)が低下している場合、上限クリック単価を引き上げて広告の表示が制限されないようにする必要があります。上限クリック単価の引き上げると検索順位の上昇を図ることができるため、ユーザーの目に留まる機会や、サイトに流入してくるユーザーの母数を増やすことができます。また、完全一致のキーワードしか設定していない場合、部分一致のキーワードを追加することでも表示回数を増加させられる可能性があります。

とはいえ、いくら広告からユーザーが流入してもコンバージョン率が低ければコンバージョン数は増えません。設定したキーワードとユーザーが検索したワードに相違があると、ターゲット層以外の流入が多くなるため、コンバージョン率の低下を招きます。キーワードとの関連性を高めたり、購買意欲が低いユーザーに広告が表示されないよう除外キーワードを設定したりすることも検討してみましょう。

広告の最適化

コンバージョンを最大化するには、リスティング広告であれば広告文、ディスプレイ広告であれば画像、動画やテキストがユーザーのニーズに合ったものになっていなければなりません。検索したキーワードとWebサイトの内容が乖離していると、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。

そこでキーワードとの関連性が高く、サイト訪問後のギャップの少ない広告文にすることで、コンバージョンにつながらない無駄な流入を回避できます。タイトルやテキストに適切な形でキーワードが含まれているか、そのうえできちんと商品やサービスの魅力が伝わる内容になっているかどうかを見直してみましょう。

より効果の高い広告文を掲載するためには、ABテストを実施してユーザーの反応を確かめる方法も有効です。なお、無理にキーワードを含めると文章が不自然になったり、商品の訴求ポイントが伝わりにくくなったりするため注意しましょう。

ランディングページの改善

広告をクリックしたユーザーを逃さずコンバージョンに誘導するために、ランディングページ(LP)を改善してみましょう。ランディングページとは、Webサイトへの訪問者が最初に閲覧するページのことです。コンバージョンにつながるLPを作る際には、まずファーストビューでユーザーのニーズが解決できる情報が提示されていることが重要です。知りたい情報をパッと見つけられる明快なレイアウトを採用し、画像を多く使用して視覚的に訴求するなどの工夫が求められます。

また、ユーザーを次のアクションに促すためには、「購入」、「問い合わせ」や「登録」といったCTA(Call To Action:行動喚起)ボタンまでの導線や配置、ボタンデザインを改善した方がいい場合もあります。ユーザーに何らかのアクションを喚起できたとしても、入力フォームの使い勝手が悪かったり、入力項目が長すぎたりすると、ユーザーが途中で離脱してしまうかもしれません。実際に自分で入力してみて、ユーザーに配慮した設計になっていることを確認しましょう。

ターゲティングの実施

リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告にはターゲットを絞り込む機能があります。詳細なターゲティングを行うことで意欲の低いユーザーのクリックを減らし、コンバージョンにつながりやすいユーザーだけを効率的に集客することが可能です。ターゲティングの例としては、指定したキーワードが使用されているWebサイトに広告を配信する方法が一般的ですが、ほかにも年齢・性別・位置・興味関心といったユーザーの属性や、ユーザーが使用しているデバイス、特定のWebサイトのURLを指定する方法などがあります。また、過去にサイト訪問したことのあるユーザーに対するリマーケティングやリターゲティングも、リピーターや離脱したユーザーのコンバージョンを獲得する手段として効果的です。

「コンバージョン数の最大化」自動入札の活用

Google広告やYahoo!広告には自動入札機能があり、その中の一つに「コンバージョン数の最大化」という機能があります。これは、名前が表すように予算の中でできるだけ多くのコンバージョンを獲得できるよう、AIが最適な入札価格を自動で設定してくれる機能です。この機能を活用すれば、手動で入札価格を調整したり、広告の予算配分を考えたりといった手間が省けるため、広告の費用対効果の向上とともに、広告担当者の業務効率化が期待できます。一方で、必ず成果が出るとは限らず、データの蓄積が少ないうちはパフォーマンスが落ち込む可能性もあるため、利用には注意が必要です。

デジタルチェンジでも自動入札機能を使用し、予算内でのクリック数の最大化を目指します。自動入札はコンバージョン率が安定するまで時間がかかるため、データが蓄積されて自動入札が安定するまで、手動での配信も並行して実施します。手動でも配信することによりマーケティングデータの蓄積されたプロセスを見ることができます。そのためデジタルチェンジでは、すべてを自動入札に頼るのではなく、徐々に自動の比率を高めていきます。そうすることで、安定したパフォーマンスを担保したまま自動入札に切り替えることが可能となります。コンバージョンポイントのハードルが高い場合は、1つ手前のユーザー行動をコンバージョンと定義して学習データを蓄積させることでスピーディーな自動入札に切り替える手段の1つとなります。

リスティング広告を運用していてもコンバージョン数の増加に問題がある場合は、こういった施策をひとつずつ実施することで、コンバージョン数の最大化を目指せます。

まとめ

Web広告の運用におけるコンバージョン数の重要性と、コンバージョンを最大化するための方法を紹介しました。コンバージョン数を増やすためには、広告の配信後も継続的に効果を検証し、改善を繰り返すことが重要です。今回取り上げた「キーワードの調整」「広告内容の最適化」「LPの改善」「適切なターゲティングの実施」「自動入札の活用」という5つの方法を駆使して、コンバージョンの最大化を成功させましょう。