リスティング広告とディスプレイ広告の違い・成果を上げる使い分け方

Web広告の出稿を検討する際に候補となる、リスティング広告とディスプレイ広告。有名な広告ではあるものの、両者の違いは少し分かりづらい面もあるでしょう。

今回は、リスティング広告とディスプレイ広告の違いや、使い分けなどについて解説します。

なお本来は「リスティング広告」の中に「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」がある、という解釈が正しいです。

ただ、一般的に「リスティング広告」=「検索連動型広告」と認識されているケースが多いため、本記事でも便宜上、「検索連動型広告」のことを「リスティング広告」と表現します。

リスティング広告(検索連動型広告)とは何か

リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索結果画面上に表示される広告です。ユーザーが入力した検索キーワードに連動して表示されるため「検索連動型広告」とも呼ばれます。

通常の検索結果と似ていますが、リンク付近に「広告」と表示されます。

仕組み

リスティング広告の大きな特徴のひとつが、PPC(Pay Per Click、クリック課金)と呼ばれる課金の仕組みです。

広告枠は入札形式(オークション形式)となっており、ユーザーが広告をクリックした際に広告費が発生します。

よって、広告費は一定ではなく、入札結果やクリックの数によって変動します。

メリット

メリットは大きく以下3つです。

  1. 能動的に検索をしているユーザーに対して広告でアプローチできる
  2. SEO施策との相乗効果が期待できる
  3. 画像などのクリエイティブを制作する工数がかからない

それぞれ詳しく解説します。

1.能動的に検索しているユーザーにアプローチできる

検索ワードを指定して広告掲載できるため、能動的に情報を探しているユーザーに広告を表示できるのが、リスティング広告のメリットです。

そのため、他のWeb広告に比べると、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。

2.SEO施策との相乗効果が期待できる

リスティング広告の出稿は、SEO施策にも活かせます。

広告によってユーザーの訪問数を増やすことで、SEO施策の効果が出る時期を早める効果が期待できたり、収集したデータをSEO施策の改善に活用できたりするからです。

SEO施策とリスティング広告との関係について、詳しくは以下の記事でも解説しています。

リスティング広告とSEOの仕組み・違い・併用して相乗効果を生むコツ

3.画像などのクリエイティブを制作する工数がかからない

リスティング広告はテキストだけで出稿する形式の広告です。

そのため、画像や動画といった、制作に時間やコストのかかる素材を用意する必要がありません。

商品・サービスの価値を魅力的に伝えるテキストの作成にリソースを集中できる点で、効率よく出稿できる広告だといえます。

デメリット

リスティング広告のデメリットは、主に以下2つです。

  1. 潜在層の集客には向かない
  2. ビジュアルを用いた訴求ができない

それぞれ詳しく説明します。

1.潜在層の集客には向かない

潜在層とは、潜在的にニーズをもってはいるが、自分自身ではそのことに気づいていない層のことです。

たとえば、ムダ毛の処理に困っているが、今すぐ脱毛しようとは思っていないユーザーの場合、検索によって課題解決の方法を探すことは少ないでしょう。

脱毛サロンの魅力が伝われば顧客になってくれる可能性はありますが、そもそも脱毛サロンを探そうとしていないユーザーを対象とするのは難しい傾向にあります。

2.ビジュアルを用いた訴求ができない

リスティング広告は、検索結果と同様に、テキスト情報によってユーザーに訴求する広告です。そのため、画像や動画といったビジュアル要素を用いたアプローチはできません。

商品のデザインなどを効果的に伝えるのが難しい点は、リスティング広告のデメリットだといえます。

ディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)とは何か

ディスプレイ広告とは、サイトやモバイルアプリなどに表示される広告のことです。

広告の掲載枠があるWebサイトのコンテンツ(情報の内容)に関係する広告が表示されるため「コンテンツ連動型広告」とも呼びます。

たとえば、サイトを見ているときに、周囲のコンテンツに紛れて商品やサービスのPRが入っていることがあります。

これらは、ディスプレイ広告の一形態です。

仕組み

普段ユーザーが見ているサイト履歴などから、一人ひとりの興味や関心に合わせて広告が表示されます。

この場合、検索キーワードなどは関係ありません。

 

ディスプレイ広告の課金方式は2種類です。

  • リスティング広告と同じくクリック単位で課金
  • 一定の広告表示(インプレッション)数単位で課金

前者はCPC(Cost Per Click)課金、後者はCPM(Cost Per Mille)課金とも呼ばれます。

たとえば高額な旅行や嗜好品など、普段積極的に検索するわけではないが、広告を見ることで購買意欲が喚起されるような商品・サービスの訴求に向いています。

メリット

ディスプレイ広告のメリットは、主に以下3つです。

  1. 潜在層を狙ったアプローチができる
  2. 視覚的なインパクトを与えられる
  3. リスティング広告と比較して低単価で出稿できる

それぞれ解説します。

1.潜在層を狙ったアプローチができる

検索によって解決策を探すユーザーが少ない商品・サービスの場合、ディスプレイ広告を表示することで、商品・サービスを認知してもらい、ニーズを引き出せます。

さらに、検索していないユーザーにも広告を表示させられるという点で、より多くのユーザーにリーチできるとも言えます。

また、ディスプレイ広告ではリターゲティングが可能です。

リターゲティングとは、自社のサイトに訪れたことのあるユーザーを追跡し、他のサイトで広告を繰り返し表示する方法のことです。

広告を何度も目にする中で潜在層が購買の意思決定をおこない、コンバージョンにつながる可能性があります。

2.視覚的なインパクトを与えられる

画像や動画を使った広告によって、ユーザーに視覚的なインパクトを与えられます。

「目につきやすい」「認知しやすい」といった点で、強みがあります。

ビジュアル要素を通じて、商品やサービスの魅力を具体的に伝えることも可能です。

3.リスティング広告と比較して低単価で出稿できる

ディスプレイ広告は広いユーザー層にリーチできると同時に、1クリックあるいは1表示あたりの広告費が安価な傾向があります。

そのため、リスティング広告に比べると、リーチできるユーザー数に対する広告費が安く抑えられるというメリットがあります。

デメリット

ディスプレイ広告のデメリットは、大きく以下2つです。

  1. 広告のどの要素が成果につながっているのか判断するのが難しい
  2. アプローチするターゲット層が幅広いため分析に時間がかかる

それぞれ詳しく解説します。

1.広告のどの要素が成果につながっているのか判断するのが難しい

ビジュアルやテキストなどさまざまな要素を組み込んで広告を出稿できるため、いったいどの要素が効果を発揮したのかがわかりづらい傾向にあります。

ユーザーの意思決定プロセスを把握するのが難しい傾向もあります。

2.アプローチするターゲット層が幅広いため分析に時間がかかる

潜在層は、ニーズがはっきりしている層に比べると数が多いです。

そのため、ユーザーの層が多岐にわたり、どの層に広告が効果的なのかを把握するのが難しい傾向にあります。

リスティング広告とディスプレイ広告の3つの違い

リスティング広告とディスプレイ広告について、知っておいてほしい違いを3点ご紹介します。

1.掲載場所

リスティング広告は、検索エンジンの検索結果に表示されます。

一方、ディスプレイ広告は、サイトやモバイルアプリといったコンテンツの中で表示されます。

対象とするユーザーに見つけてもらうには検索結果画面とコンテンツ内とどちらがよいのかを考えて、使い分けるとよいでしょう。

2.掲載形式

リスティング広告は、テキスト形式の広告です。文字がメインになるため、上手くキーワードを含めたり、訴求力の高い表現を使ったりして、広告を作成します。

また、競合の出している広告に埋もれてしまわないよう、内容の差別化を図る必要もあります。

一方、ディスプレイ広告には、静止画(バナー)形式やアニメーション形式、テキストを加えた形式など、複数の掲載形式があります。

また、広告の大きさも複数用意できます。ビジュアルがメインの広告なので、写真や画像の選定や見せ方を工夫することで、ユーザーへの訴求を図る必要があります。

3.ターゲット層

リスティング広告は、ユーザー自身が検索したキーワードに連動して、検索画面に広告が表示される仕組みになっています。

そのため、ニーズが顕在化している「顕在層」のユーザーへのアプローチに向いています。

また、場合によっては、商品について情報を集め始めたような「準顕在層」へのアプローチも可能です。

一方、商品・サービスのことを知らない「潜在層」へのアプローチには向いていません。

ディスプレイ広告は、ユーザーの閲覧したサイトやアプリに広告が表示されます。

能動的に商品・サービスを探していないユーザーにも広告が表示できるため「潜在層」をターゲットとしたアプローチが可能です。

一方、「顕在層」に絞った配信ができるわけではありません。

リスティング広告とディスプレイ広告の効果的な使い分け方

これまで解説してきたように、リスティング広告とディスプレイ広告にはそれぞれ独自の特徴があるため、一概にどちらが有用だとは言えません。

広告を出稿する理由や、達成したい目標などにより、2つの広告を上手く使い分けるのが理想です。

以下、脱毛サロンの具体的なケースをもとに、リスティング広告とディスプレイ広告の効果的な使い分け方を考えてみましょう。

【ケース1】「脱毛サロンに通いたい」というニーズに沿って自社のサービスを知ってもらい、新規顧客数を増やしたい場合

この場合、オススメなのは「リスティング広告」です。

「地域名+脱毛サロン」など、サービスに関連性のあるキーワードで広告出稿することで、よりニーズが顕在化したユーザーに対して広告を表示できるからです。

一方のディスプレイ広告は、リスティング広告と比べると、どうしてもニーズがない・顕在化していないユーザーに広告を表示してしまう可能性が高くなりがちです。

そのため、顧客獲得までに時間や広告費がかかってしまいやすい傾向にあります。

【ケース2】ブランディングや認知度を向上させたい場合

この場合は、ディスプレイ広告が有効です。

サロンの魅力が伝わる訴求力の高いバナー画像などを用いて、より効率的に集客できる可能性があります。

また、興味関心があるターゲットに短期間で訴求できるのも、ディスプレイ広告の強みです。

まとめ

今回は、リスティング広告とディスプレイ広告の違いについて解説しました。

ケースに応じた使い分けが必要ですが、広告費に余裕があれば併用してテストするのもよいでしょう。

一定期間運用して効果を計測し、注力する広告を決定したり、予算配分を変えたりして運用していくのも、ひとつの方法です。

広告費に余裕がない場合、リスティング広告からスタートして一定のパフォーマンスが出ればディスプレイ広告を追加する、という運用方針もよいでしょう。

たとえば弊社では、あくまでも顕在顧客をターゲットとした広告にかける予算を優先させ、残りの予算でディスプレイ広告を出して潜在顧客にアプローチする方法をとるようにしています。

リスティング広告とディスプレイ広告の使い分けに悩まれている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社にあった広告プランをご提案いたします。

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