Webマーケティング会社はたくさんあるため、相談や委託を検討するとき、どこを選べばよいのか分からないかもしれません。今回はそんなときの参考に、Webマーケティング会社を選ぶときの注意や基準などを解説しています。

企業にとってWebマーケティングが重要な理由

現代において、Webプロモーションを含めたWebマーケティングは企業活動において重要な位置を占めています。まず大きな理由として、インターネット上の情報が消費者に対して強い影響力を持っているということが挙げられます。Webサイトだけでなく、SNSの利用なども広まっており、インターネットで発信される情報は日常的に消費者に伝達されます。そのうえで、それらの情報は消費者の関心やニーズを喚起し、サービスの申し込みや商品の購入などにつながるのです。

また、何かを知りたい、何かが欲しいといった欲求があれば、消費者はキーワードを入れて、その欲求を満たせるWebサイトを探します。これも、Webマーケティングが重要である理由です。サービスや商品を提供する企業としては、すでにニーズを持った消費者がいるのですから、それを逃す手はありません。自社のWebサイトや広告などを活用して、申し込みや購入などの行動を促進するようにします。

このような消費者の行動は、個人だけでなく、企業にもあてはまることです。BtoB、BtoCにかかわらず、時代に合わせたマーケティング活動をおこなうのであれば、Webマーケティングは欠かせない手段の1つです。

変化の早さに伴いWebマーケティング施策も多岐化

Webマーケティングの導入を決めたら、次におこなうのは施策の検討です。自社のサービスや商品、達成したい目的や目標に合わせて施策を選びます。

ただ、インターネットを取り巻く環境の変化に伴い、Webマーケティング施策も多岐化しています。SEO、デジタル広告（リスティング広告など）LPO、SNSマーケティング、ECマーケティング、メールマーケティングなどがその代表例。それぞれの施策の実施方法もひとつではなく、課題や状況に応じて異なる方法がとられます。

このような多くの施策や実施方法の中から適切なものを選ぶには、専門的な知識や経験が求められます。また、施策を実施して効果を出すにはスキルも必要です。さらに、施策によっては一定の人的リソースも求められます。

特に中小企業の場合は、これらの人材やリソースを確保するのは容易ではありません。そんなときに相談や委託をできるのが、Webマーケティング会社というわけです。

Webマーケティング会社選びで注意すべきこと

現在、世の中にWebマーケティング会社は相当な数存在します。いざ選ぶことになったとき失敗しないために、どのようなことに注意すればよいか、以下に2点挙げて解説します。

Web制作会社とWebマーケティング会社は別ものと考える

Webマーケティングをおこなうにあたり、まずWebサイトの制作から始めるケースもあります。サイトの構築を自社で行わない場合、Webサイト制作をしてくれる会社を探すことになりますが、ここで注意点があります。それは「Web制作会社」と「Webマーケティング会社」は基本的に別ものだということです。

Web制作会社のサービスは、Webサイトの設計と制作です。もちろん、マーケティングに活用できるWebサイトの制作をしてもらうことは可能ですが、その後の運用や効果測定は、通常、自社でおこなわなければなりません。また、依頼する会社によっては、デザイン重視でただ見た目がキレイなWebサイト（マーケティングの視点が足りないWebサイト）を作られる可能性もあります。

効果測定や必要な施策の実施など、制作後の対応も任せたいのであれば、制作サービスも提供しているWebマーケティング会社に依頼すべきです。ただし、反対にマーケティングのサービスを提供しているWeb制作会社もあり、そういった会社であれば、Webマーケティング会社と同様の対応をしてくれるでしょう。

Webマーケティング会社自体のリソースは足りているか

Webマーケティング会社に相談や委託をする理由のひとつは、上述のように、社内に足りないリソースを補うためです。しかし、せっかく任せられそうな会社を見つけても、実はその会社自体に必要なリソースが足りていない可能性もあります。

専門業者なので、Webマーケティングの一般的な知識やノウハウはある程度社内で共有されているでしょう。しかし、すでに説明したようにWebマーケティング施策は多岐にわたります。特定の施策に関するスキルをもつ人材がどの程度揃っているかは、それぞれの会社で異なるので注意が必要です。

例えば、自社としては広告を任せたいと思っていたのに、実際は広告運用の経験が少ない人材ばかりいる会社だったというパターンが考えられます。また、多くの記事を継続的にライティングするコンテンツマーケティングという施策がありますが、ライターのリソースが足りていないWebマーケティング会社にこれを任せると、質の悪い記事が納品されたり、作業が期待するスケジュールで進まなかったりする可能性もあります。

大きな広告代理店や専業のWebマーケティング会社では、予算規模が小さい場合は新卒のスタッフが対応したりWebマーケティングの知識が乏しい担当者になることが大半です。

とはいえ、会社のリソースを最初から推し量るのは難しいもの。その場合は、実績を参考にしたり、どのような体制で施策を進めてもらえるのかを確認したりして判断するのもひとつの方法です。

Webマーケティング会社を選ぶときの基準

最後に、Webマーケティング会社を選ぶときの基準について解説します。自社の状況によっても基準は変わりますので、あくまで参考としてチェックしてみてください。

多種多様なWebマーケティング施策が可能な会社

課題や目的などに応じて、多種多様なWebマーケティング施策に対応できそうかどうかが、ひとつめの基準です。最初から特定の施策を任せたい場合はともかく、どの施策がよいのか選んでいる段階であれば、幅広く対応してくれる会社に相談するのがよいでしょう。ただし、リソースが分野で偏っていたり、「器用貧乏」状態になっていたりする会社もないとはいえません。事前の情報収集や打ち合わせなどを通じて、任せられる会社かを判断することが大切です。

現状の課題を把握し計測可能な数値で成果を設定できる会社

Webマーケティング施策をおこなうには、まず現状の課題を把握することが重要です。ヒアリングをしっかりしてくれるかを含め、課題の把握に努めてくれる会社かどうかも、選ぶときの基準となります。

また、成果を数値で設定し、それを追いながら適切な施策を実施してくれるかどうかも選定のポイントです。Webマーケティングは取り組めばすぐに期待する成果が出るとは限りません。中長期的な視点から成果を出してくれそうな会社を選ぶとよいでしょう。

顧客の「感情」に寄り添える会社

過去に似たような業種のサイトを作った経験のある会社に任せたからといって、自社のWebマーケティングで効果を出せるかどうかは別の話。効果を出すには、ただ見た目のよいWebサイトを作るだけでなく、顧客の「感情」に寄り添った施策が実施できるかが重要です。

Webサイトの訪問客は顔が見えませんし、会話もできません。しかし、何を求めているのか、どんな気持ちで訪問しているのかを、データの分析などによって考えることはできます。顧客の感情を知る努力をしているかということも、信頼できる会社かどうかを判断する基準のひとつです。

顧客の感情に寄り添ったWebマーケティング活動をおこなってくれるのか、自社商品のことをしっかり理解してWebマーケティング戦略を策定してくれているのかなどをしっかりと見極めた上で判断していくことが重要となります。

まとめ

今回は、Webマーケティング会社を選ぶときの参考情報を解説しました。実際に選ぶときは、予算や希望スケジュールに合うかどうかなど、具体的な事情も含めて総合的に判断し、ベストな会社を選ぶとよいでしょう。